はじめに
妊娠中に陰部にできものが増えてきて、「もしかして何か悪い病気?」とドキドキした経験をお話しします。デリケートな部分のことなので恥ずかしくて誰にも相談できず、一人でモヤモヤしていた時期もありました。
看護師として日頃から患者さんに「気になることは早めに相談してください」と伝えているのに、自分のこととなるとなかなか言い出せないもので…。同じように悩んでいる妊婦さんの参考になれば嬉しいです。
もともと陰部に黒いできものがあった
20代の頃から、陰部に血豆のような小さなできものがありました。
- 色: 赤黒い・黒紫のような色
- 大きさ: 1〜2mm程度
- 症状: 痛みもかゆみもなし
最初はにきびか粉瘤かと思い、つぶしてしまったことがあります。少し血が出ましたが、消えることなく同じような見た目に戻りました。体を洗うときにこすりすぎると出血することもあり、扱いに困っていました。10数年見た目が変わらないので特に治療はしていませんでした。
妊娠中期、突然できものが増えた
妊娠中期の頃。陰部の保湿をしている時に、できものが増えていることに気づきました。
新しくできたものも、色やサイズはもともとあったものと同じくらい。痛みもかゆみもありませんでしたが、出産までの間に4つほど短期間で増えていきました。
「さすがに増えるスピードが早すぎる。」と
どんどん増えてくる様子に不安を感じ、妊婦健診のときに思い切って医師に相談してみました。
医師に相談した結果:被角血管腫・静脈瘤の可能性
医師からは、「断定するには生検(組織を採取して詳しく調べる検査)が必要になるが、話を聞く限り静脈瘤とか血管腫のようなものだろう」とのことでした。
なぜ妊娠中に増えるの?
陰部は柔らかい部分のため、妊娠による腹圧の上昇や赤ちゃんの重さによって血管が圧迫され、皮膚表面に押し出されることでできものができやすくなるそうです。
被角血管腫に似た陰部の血管病変【調べてみた】
診断を受けてから、職業柄もっと詳しく知りたくなって調べてみました。医師からは被角血管腫や静脈瘤の可能性を指摘されましたが、私の場合は出産後に自然消失しています。被角血管腫は一般的に自然には消えないとされているため、実際には妊娠による静脈瘤的な変化だった可能性が高いと考えています。
ここでは、見た目が似ていて混同されやすい「被角血管腫」について、参考として解説します。
被角血管腫とは
皮膚は表面から順に「表皮」「真皮」「皮下組織」という構造で、被角血管腫ができるとされているのは、真皮層にある毛細血管です。何らかの理由によって、この毛細血管が拡張し、血液が溜まった状態になります。
さらに、拡張した血管の直上にある表皮が増殖し、角質層が分厚く硬くなる「過角化」という現象を伴うのが最大の特徴です。この血管の異常と表皮の異常という二つの要素が組み合わさることで、単なる血豆ではなく、表面が少しカサカサとしたイボ状の硬さを持つ特有の腫瘍が形成されます。
看護師目線で言うと、「血豆かな?」と思いがちですが、表面が少し硬くザラついているのが血豆との違いのポイントのようです。
私の場合は、表面はザラザラっしておらず、つるっとしていました。
見た目・症状の特徴
大きさは2〜5mm前後で、色は暗赤色〜紫あるいは黒っぽい。表面は少し硬くザラザラしており、初めは特に痛みなどの自覚症状がないことも多いです。しかし、下着との摩擦などで出血しやすいことがあり、擦れるとにじむように血が出たり、触ると少し痛んだりかゆく感じたりする場合もあるそうです。
私のできものも見た目はよく似ていましたが、出産後に消えたことから、静脈瘤的な変化だったと考えています。
女性の陰部にできることは珍しい
典型的には40歳前後から閉経前くらいまでに発症する例が多く、女性の外陰部における被角血管腫は稀で、ある調査では有病率はわずか0.16%程度と推定されています(男性の陰嚢では高齢になるほど頻度が上がり、70代では約16%とも)。
調べたときに「高齢男性に多い」と書かれていてショックを受けたのはこのためです…。ただ、「実は文献で報告されているよりも多く存在している可能性もある」との指摘もあるので、気づいていないだけで意外と同じ経験をしている女性がいるのかもしれません。子宮頸がん検診とか婦人科系、泌尿器系のトラブルがないと医師に見せる機会もないですしね。
妊娠中に似たような病変が増えやすい理由
被角血管腫とは別に、妊娠中は陰部に静脈瘤ができやすいことが知られています。女性の場合、妊娠による静脈圧の上昇や女性ホルモンによる血管拡張作用なども、血管病変が生じる要因と考えられています。大きくなる子宮が骨盤内の静脈を圧迫することで血液が滞り、皮膚表面に血豆のような見た目の病変として現れることがあります。私の場合は出産後に子宮が元の大きさに戻るにつれて圧迫が解消され、自然に消えたと考えると納得がいきます。
治療について
被角血管腫の場合、特に症状がなければ治療の必要はありません。無治療で自然に消えることもないそうです。有症状の場合は、レーザー治療が選択肢としてあるそうです。
一方、妊娠による静脈瘤的な変化であれば、出産後に自然消失することが期待できます。いずれにせよ、自己判断は難しいので、気になる場合は皮膚科・産婦人科に相談してみてください。
出産後、全部消えた!
出産後1か月健診までの間に、妊娠中にできたものはすべて消えました(もともとあった1個を除いて)。
「癌とか被角血管腫じゃなくて本当によかった」と、心からホッとしました。
もともとあった1個は消えたことが無いので、これは血管腫なのかなぁ…。
出産後も保湿ケアを続けた
出産後にはなくなるだろうと聞いていたので、きれいに治るよう陰部の保湿ケアを産後も継続しました。
皮膚の再生には潤いが必要です。私は今回の妊娠中から産後も使用していたのはヴェレダのオイルです。べたつかず、塗った後すぐに下着をつけても不快感がなかったです。香りもフローラル系?で癒されます。最近はフェムケアとしても人気があるそうで、産んだ後も使い続けています。塗り忘れた日は、なんだか下着に肌触りが違って落ち着きません。笑
今では、どこにできものがあったかもわからないくらい、元通りになっています。
おわりに:恥ずかしくても、相談してよかった
陰部のトラブルは、恥ずかしくて相談しにくいですよね。でも、自分自身にしか気づけない部分だからこそ、「いつもと違う気がする」と思ったら、迷わず医師に相談することをおすすめします。
看護師として患者さんに「どんな些細なことでも相談してください」と伝えてきましたが、自分が妊婦になって改めてその難しさを実感しました。それでも相談してみると、今回のように「良性ですよ」と教えてもらえて気持ちがぐっと楽になります。正体がわからずストレスを抱えながら過ごすよりも、何倍もいいです。
【免責事項】 この記事は筆者個人の妊娠・出産の体験談をもとに書いています。症状や経過には個人差があり、すべての方に当てはまるものではありません。陰部のできものや気になる症状がある場合は、自己判断せず、必ず医師にご相談ください。


